次の日、朝から目を覚ますとキッチンで大和さんが
すでに朝食が準備されていた。
「おはようごいます、日和様。」
「おはようございます、大和さん。」
ダーリンは大和さんが苦手なのかあたしの後ろから
出て来ないで足に纏わりついてくる。
スリッパの音がフローリングに響く。
美味しそうな匂いがする。
クロワッサンとスクランブルエッグと洋風のご飯を
用意してくれた大和さん。
牛乳をグラスに注いでくれる。
普段は和風だけど、たまに洋風食べたくなるんだよね。
大和さんは本当に何でも知ってる。
パクリと卵を口に運ぶととろける。
大和さんはいい旦那になるに違いないよ!
今や男も主夫というのが時代の流れだ。
きっと恥ずかしくない主夫になれる。
「朝食が済みましたら移動しますから
準備をお願いします。」
「は、はい!」
こんなやり取りが普通になる日なんて想像つかない。
大和さんが居ると安心感があるけど、いつまで経っても
慣れそうにはない。
「そういえば、兄ちゃんは?」
「まだお見かけしてませんね。」
そういえば、兄ちゃん真君とタケノコ採りに
行くんだった!真君、絶対に嫌だろうよ。
兄ちゃん、1人で行けっていうんだ!
でも、タケノコ採ってきたら釜飯作って
あげようかな?兄ちゃん、和食好きだなー。
朝食を取り終えてから自室に戻って、
部屋着から服を変える。
昨日、大和さんから手渡された服で、
サイズがピッタリでビックリした。
ま、まさかの大和さんに採寸がバレていたとは
恥ずかしいことこの上ない。
それより、大和さんの趣味なのかなっていう
不安の方が大きいかもしれない。
赤いスカートに白いブラウス黒いジャケットを
羽織って鏡を見ると普段着ない服のせいか別人に見える。

