遠くからは部活をする部員の声が聞こえる。
「死んでは居ないけど、それから性格変わってね。」
馨君の幼なじみさんはまだ生きている。
「何でもかんでも我慢するようになった。
それまでは我慢せずに挑戦する子だったけど、
いつの間にか正反対に変わった。」
「では、きっと木から落ちてよほどショックを?」
「さぁ?でも、今は我慢せずに居てくれたらと思うよ。」
馨君の幼なじみさん、どこかで元気に暮らして居るだろうか?
「ってことで、日和ちゃんは何も変わらないでね。」
「馨君のためならば顔芸増やす努力します!」
「そういうことしなくていいから。」
「お気に召しませんでしたか!?」
またしても勉強不足だったわ。
あれ、練習したものではないけども。
咄嗟に出した究極技だものね。
そうそう出せる芸当じゃないわ。
ムム、これは馨君からあたしへの挑戦状ね!
あたしに期待してくれてる馨君を裏切らぬ
ものを考えておかなくては。
「日和ちゃんは居なくなったりしないよな?」
その馨君の声は落ち葉にかき消されて聞こえなかった。
「あの、馨君、やはり勉強しておきます。」
「日和ちゃんだからそういうことしなくて」
「いいえ、そういうわけにはいきません。」
絶対に笑い茸に負けぬ笑いを頂戴するわ。
それで、もう馨君にあんな顔させないように
あたしが頑張らねばいけない!
これは、神から与えられし試練だ。
「日和ちゃんやっぱり話聞く気なさそう。」
「馨君、ケータイさん見つかりました!
無傷で何よりですね。」
ケータイを馨君に差し出すともうさっきのような
寂しそうな顔をしていなくて安心した。
「あ、本当だ。」
ケータイをポケットに仕舞う馨君と一緒に
廊下を雑談で花を咲かせた。
――――――きっと、一緒に居ますよ。
どうか、最後までそうさせて下さい。

