人肌に伝わる熱は体に負担をかけるものではなさそうだ。
「お風邪じゃないなら頭が痛いとか?」
「日和ちゃんが心配してくれるのか。それも悪くないかな。」
赤色に近いピンク色の髪は夕日色に染まってオレンジっぽく
見えてくるほどだった。
「馨君、無理せずに辛かったら言って下さいね。
あたし背負って行きますから!!」
「え、日和ちゃん潰れるよ。」
「何のこれしきです!」
馨君を背負っていくことぐらい出来ないことじゃない。
あたし力持ちだし、お米を背負うようなものと思えば!!
「具合悪いわけでもないんだけどな。」
「えっ、気のせいですかね!?」
馨君が困ったように笑うと遠くを見るように、
どこか空を見上げながらポツリと話をした。
「昔のことなんだけどさ、俺の幼なじみも木から
落ちたことあるんだ。」
「えっ!?」
突然の告白に驚いて馨君の横顔を見るとドキッとするほど
大人っぽくてオロオロしながら話を聞いた。
「女の子なんだけどね、男勝りで人の言うこと利かない
タイプの子で結構苦労したかな。」
そ、それは大変だっただろう。
人の言うことは聞くべきだ!
※自分が言うなとツッコミ入れる人が居ないので敢えてツッコミます!
「馨君、その子のことまさかお好きだったのですか?」
「いや、俺は家族のように思ってたから恋愛感情
をその子に持ったことはない。」
「そうですか、では妹さんみたいな感じですか?」
馨君とこういうお話が出来るとは思っても見なかったぞ!!
「まぁ、そんな感じかな。」
「ふふっ、いいな羨ましい限りです。」
馨君にそう思ってもらえる女の子に是非会ってみたい。
「羨ましいって?」
「馨君みたいな人がお兄さんだったら自慢しますよ。
家の兄ちゃんは自慢のしようがないです。」
「そっか、でも、日和ちゃんのお兄ちゃんにはなれないかな。」
苦笑いする馨君の横顔はどこか消えてしまいそうだった。
優しい人だと最初から思ってた。
自分よりも人のことを心配する心のとっても
綺麗な人だと馨君を見てた。

