誰もが反対するようなことでもたった1人で
あたしの気持ちを最大限に受け止めてくれる人だ。
「大和さん、あたしどうしても気になることがあるんです。」
最大の鍵はじいちゃんの秘書だったこと。
今もまだじいちゃんの秘書かもしれない。
彼は一体何を狙ってあたしに近づいた?
そして、あたしを脅して得る目的とは何がある。
しっかりと焼きついて離れないあの顔。
『何でしょう?日和様のお力になれるのなら私の
力をお使い下さい。』
「あのね、今はきっと勝負に出る時じゃない。
いつかやってくるその日が来るまでに準備程度に
調べて欲しいことがあるの。」
ただで、あたしが言うとおりにすると思ったら
大間違いだってこと思い知らせてやるためだ。
ううん、これ以上あたし以外に脅すような
ことした時の保険が欲しい。
無力だった小学生ではなくなった。
『畏まりました。こちらで調査して書類を作成しておきます。』
「こんなこと頼めるのは大和さんしか居ないからお願いします。」
『貴女が頼ってくれることが私の・・・』
最後の言葉は機械音に紛れて聞こえなかった。
「正月になったら挨拶を兼ねてこちらから電話しますね。
だけど、次会うことになるのは・・・3月ですかね。」
『そうなりますね、また様子を伺うお電話させて頂きます。』
「はい、こちらもそうさせてもらいます!」
『日和様、私は絶対に貴女の味方です。
それだけは決して忘れずお心に留めておいて下さい。』
消え入るような声がそのフレーズだけははっきりと
胸に入ってきた。
多分、大和さんは誰が反対しても最後の最後まであたしの
意志を尊重して守ってくれるだろう。
この人にしか託せるわけなかった。
なんて、運命というものは残酷なんだろうか。
同じ日に会った2人の秘書が敵味方に分かれて、
あたしに衝撃を与えたというのに事実は何も変わらず存在する。
もしも、これが夢で長い長い夢を見ているんだったら
早くあたしを目覚めさしてと思う反面。
お願いだから、このまま夢を見たままで居たい。
真実なんてそんなもの知りたくなんかないよとどこか
思ってるような気がした。

