ちぃ君が視線を落としてしまったから何か
不味いことで言っちまったのかと焦った。
「ち、ちぃーさん?」
顔の前で手を振ってみるも反応がない。
ど、どうしましょう!?
ちぃ君の逆鱗へと触れたのか!!
そりゃ、参っちまったよね。
「千治さん、起きてますで」
次の言葉はちぃ君に抱きしめられたせいで
言葉に発することが出来なかった。
黒いパーカーを羽織ったちぃ君の懐は
温かくて優しさで溢れてた。
「ムフフっ・・・」
何コレ珍百景に応募していいかな?
こんな綺麗な人に抱きしめられるとか
ある意味珍百景でしょうよ!
「何だよ?」
「ちぃ君、顔見せて?」
「ヤダ。」
「ぐふふっ」
「気味の悪い笑い方は止めてくれ。」
「酷い言い様だなこのシュチュエーション分かってる?」
もう勝手なんだから。
こんな時にマイペース発揮しなくてもいいでしょ?
「お前、カイロになれ。」
「あたしをせめて生き物に昇進させてくれ!」
カイロにするなんてあんまりじゃないか。
全く、ちぃ君らしいと言えばそうなんだけどね。
「ぐ、ぐるじぃ~」
この人、力の加減を知ってますか?
あたしは今にもちぃ君に絞め殺されそうだ。
明日の朝刊には高校生が殺人!?が大きな
反響を呼ぶに違いないよ。
友人を絞め殺した男として世間を騒がしちゃうよ!!
緩まる力にちぃ君を見上げると顔をすぐに
背けられたまま頭をポンポン撫でられた。
「悪い、加減が分からねえや。」
口元を押さえて反省しているであろうちぃ君
を見てるだけで何だか笑えた。

