象の形をしたトピアリーも可愛くて気に入ってた。
あっちにはクマさんもあるじゃないか!
この庭園すごく綺麗にしてくれてるんだよな。
向こうにあるのはこれまた白いガゼボで、
夜なのにその白さは目立っていた。
歩いていると所々にある花壇には季節の花が
甘い香りを放っていていい匂いがした。
ゼラニウムにプリメラ、薔薇と様々できっと
ここは日中に見たら綺麗なんだろうなと思いながら
奥の方に進むと噴水が見えてきた。
ライトアップもしていて光と水のアートだ。
こんなところ1人で来ても意味がないような
気がするじゃないか!!
今度、・・・また来れたらいいな。
噴水の近くにあったベンチにちらりと物陰が
動いたような気がして目を凝らして見た。
白いベンチの上、光る噴水のお陰か照らし出された
横顔はこの世のものとは思えないほど綺麗だった。
仰向けになって寝転び満天の星空を独り占めしている
人と猫が一匹ずつ居てビックリした。
猫をお腹の上に乗せて肉球を触りながらボーッと
してる超絶美形の人が居る。
こ、これは夢ってわけじゃないよね!?
だ、だって、ちぃ君は稜さんとお話するって
言ってたし、目が霞んでるだけとかだ!
あたしの目の霞は異常じゃないか!?
もしかして、目の中に雲が住んでるのかもしれない!!
それで事ある毎にあたしに幻覚を見せてるのね。
何とも恐ろしいあたしのお目々!!
こんなところ知ってたんだと思いながらも、
声を掛けるべきなのかと考えるも足は前に
進んでいて気付いたらベンチの淵に足音
立てずにそっと近づいていた。
「・・・・・・ちぃ君、さっきぶりだな!」
話掛けるタイミングがよく分からなかったけど、
声を掛けるとちぃ君の体がビクッと動いた。
そして、猫さんを抱えながらふと仰向けのまま
目が合うと少しだけ目を丸くしてすぐに抱えてる
猫さんの手をあたしの手に重ねて猫パンチを繰り出してきた。

