Hurly-Burly 4【完】


キラキラ輝く星はホントに手が届きそうで届かない。

結局、この地球にいる限り星に手が届くわけがない

ことは知恵として今は分かってる。

何億光年も先にあるものだから手は全然届かない。

あれは小さいんじゃなくてそれほど遠くにあるんだってことだ。

だから、どんなに手を長く伸ばしても高いところに登っても

遠くにあるものは掴むことなんて出来ない。

あの星もこの星もちっぽけなんだろうな。

ちっぽけでも自分から輝きを放てるのは

やっぱり羨ましく思うことだったりする。

あたしもそんなふうに生きたい。

街灯がチカチカして不気味な雰囲気を醸し出す

その癖道には人っ子一人居ない。

こんな空間に居ると途端に世界で一人ぼっち

になったような気がしてしんみりする。

しかし、コンビニが全くないのは解せん。

もう学校通り越してしまったではないか!

あるところには何件立て続いてるんだよって

ところもあるのにコンビニ業界の黒さは限りない。

きっと、コンビニ業界は出店する場所を間違ってる!

それでも、コンビニというものがあるのを知ったのは

高校に入ってからだった。

それまで何不自由もなかったがあると便利だ。

階段を上って近道をしようと普段は行かない

丘の上にある庭園を散歩することにした。

ここはよく“あの人”に連れて来て貰った。

“あの人”が居なくなってからここに来る

のは二度目かもしれない。

好きな場所だったのは紛れもないことで、

毎日だって通えるならここへ来たいと思って

いたけど、ここは大事な思い出がいっぱい詰まった

場所だったから踏み込むと思い出して会いたくなる。

何だか、今日はいつもより彼を思い出すようだ。

確か、あっちの方にある白くて綺麗なベンチで

よくお喋りしてたっけ?

駄目だな、こんなこと思い出しても虚しくなるだけだ。

思い出はちゃんと胸の中に残って消えない。

彼は覚えているだろうか?

花の匂いが香るこの場所で大事な約束をした。