それからナル君と話していたらいつの間にか

12時になっていた。

『ヒヨリン、そろそろ寝るよな!?

こんな時間まで付き合わせちゃってごめんな?

疲れちゃったか!?』

ナル君、心配し過ぎだ。

目はまだばっちり開いている。

しかし、そろそろダーリン部屋に来ても良さそうだが

まだ師匠の長話でも聞いてるのかな。

ダーリンは聞き役が多いもんね。

「ううん、大丈夫ですよ。」

『ヒヨリン、おやすみ!

また明日学校でな。』

「はい、おやすみなさい。

風邪を引かぬように温かくしておやすみ

下さいね。また明日お会いできることを

楽しみにしています。」

ナル君は名残惜しそうに電話を切った。

しかし、ほぼ毎日あたしと電話をして楽しいかな?

電話っていうのはあまり慣れない。

だけど、ナル君と電話して話すこの時間って

結構好きだったりする。

「そろそろ寝ようかな。」

そういえば、冷蔵庫の中確認してなかったな。

明日のお弁当に必要な材料はきちんとあるかしら?

小豆に気を取られていたわ!

※気になると寝れなくなる性分です。

部屋を出てすぐに階段を降りてリビングに行き着くも

まだ兄ちゃんは呑気にお風呂に入ってるみたいで

シーンとした空間が待っていた。

今頃、いい湯だなとか歌ってるに違いないわ。

師匠が指揮を取って大合唱してそうで風呂場に

近づきたくないな。

冷蔵庫を開けると大変なことに気付いた。

「な、何故ない!?」

あんなに確認したはずだった。

しかも、大事なクマさんを作る予定の耳部分の

食材が見当たらないのである。

「と、トマト巡査っ!!」

兄ちゃんが大好きなトマトがない。

やっちまったじゃないか。