「ちぃーさんの言ったことだからしょうがねぇじゃねぇ~の。」

伊織が煙草の煙を吐き出す。

「アイツに余計なこと言ってビビらせるよりゃマシだろ。」

「何だ慶詩にしちゃ、考えてんだな。」

「別に考えてねぇーよ!!」

「だけど、ヒヨリンがどこにも行かないって

確証はねぇから・・・本当のことなんて

言わねぇ方がいいかもしんねぇって」

ナルは日和ちゃんにベタ惚れだな。

「日和ちゃんは、そんな子じゃないと思うぞ。

じゃなきゃ、今日言った日和ちゃんの言葉は

全部嘘だって思うのか?

俺は、思わねぇな。あんなに真っ直ぐ言う子

俺は嫌いじゃねぇな。」

あの凛とした堂々とした姿勢に物言い。

将来、日和ちゃんがどんな感じになるか

今から楽しみだな。

「将来、日和ちゃんはいい女になるなー。

あれは絶対期待を裏切らないタイプだろ。」

「それ、俺も同感~。意外といい体型して

っからな。」

「伊織の変態!!ヒヨリンに何かしたら俺が

許さねぇからな。ターヤンもだぞ!!」

俺、別に体型のこと言ってねぇけどな。

「ヤダ、ナルちゃんったら何考えてるのよ!」

「伊織、マジでキモい。」

「ナルちゃん・・・俺の心ガラスだから。」

「ガラスぶっ壊してやっからな。」

「可愛いナルちゃん、怖~い。」

「伊織なんてもう知らねぇからな!!」

「おいおい、2人とも喧嘩すんなよ。」

ユウヤじゃ、馨のようにはいかねぇか。

馨、居ないと結構大変だよな。

苦労してんだろうな、馨。

本当のことなんて言わねぇ方がいいか。

誰だって本性晒すのは怖いもんだろ。

それでも、言わなきゃ分かんねぇよ。

日和ちゃんは、ちゃんとお前らを受け止める

寛大な子だって俺は確証もなく信じてるけどな。