いつの間にか伊織君が煙草をスパスパしてるっ!
「こ、これ!!」
紫煙が澄んだ空気に溶け込んでいく。
「いいのかよ、ひーさん。」
伊織君にさん付けされるとは今日は何か
企んでいるのか!?
「何が良いって?またドッキリを仕掛けようって
魂胆なら通用せんぞ!」
「お前って話が通用しねぇ~よな。」
伊織君の流し目に屈してたまるか。
貯めるならポイントカードがいいわ。
「ヒヨリン、心配したんだぞ。」
ユウヤってたまに真面目になるよね。
「心配ってあたしをか!?」
「他に誰がいんだよ。」
慶詩が睨んでくる。
あたしは彼に何をしたんだろうか?
すごい嫌われてないか!?
清々しいほど嫌われてるような気さえする。
「何で心配をする必要がある?」
しかし、彼らは何故あたしの心配をしている?
「おめーの脳みそどうなってんだ?」
「脳みそは詰まってるよ。」
「そういう意味じゃねってちげー。」
慶詩にポカッと叩かれた。
「ふざけんなよ、お前は変わってるかもしんねぇ。
けどな、女であることに変わり無いだろうが。」
「まぁ、一応生物学上では女性と分類される。」
「不吉な予言とか出ちまうし何かあったかと
思うのが普通だろ。」
「つまり、慶詩なりに心配していた。」
「俺は心配してねぇんだよ!!」
相変わらず耳には大量のピアスが散りばめられている。
キラキラ光るのは夜空の星に少し似ている。
「心配なんてしなくていい。あたしは大丈夫だ。
こう見えて、意外と強いのだ。サユだけが強いと
思ったら大間違いである。」
人に心配されるほどか弱い子ではない。
だから、自分の身ぐらい守れる。
あたしは誓ったのである。
みんなを温かい目で見守るのだと!!

