別に混乱してこんなことを言っているわけじゃない。

「日和ちゃんはホントすごいな。

出会った時は見た目に騙されてたけどさ、

こいつらの扱いちゃんと分かってるし、千治が

折れて日和ちゃんの言うこと聞いちゃうし、

稜さんがあんなに笑ってるとこなんて見たこと

もなかったよ。」

やっちゃんさんがあたしを見下ろすと口角を上げた。

「あ、あたしは何もしてませんよ。」

ホントに何もしてないんだが。

ただ、何故かそうなってしまっただけのこと。

「気付いてないだけで、日和ちゃんは周りに

良い影響を与えてると俺は思ってる。」

ターヤンさんが車駐車場にあるけど、

どっちに乗りたいなんて聞いてくる。

「確かに、稜さんがあんなに笑うことなんて

滅多にねぇのにお前何やらかした?」

「慶詩、あたし何も失態して・・・」

声が裏返っただけで笑ったよ稜さん。

絶対、笑い上戸だよ。

あたしで笑ったんだからみんなにだって出来るさ。

「あたし、干からびているんだ・・・」

そう思われたに違いないよ。

「ヒヨリン、干からびてねぇよ。気をしっかり持て。」

ユウヤ、その励まし身にしみるわ。

「ほら、こいつらも相当焦って探し回ってたみたいだ。」

「そういえば、何故あたし捜索されていたんだ?

お、お汁粉ならばみんなの分も不良メンバーズにも

ちゃんと作るつもりでいたけども。」

みんな、お汁粉好きだったとは・・意外な素顔じゃないか。

「ちげーだろ。どう考えたらそうなんだよ。」

「普通に考えたのだが?」

「おめー、頭貸せ。カチ割ってやっから。」

「だ、誰が貸すか、暴力ライオン!」

あたしの頭脳がそんなに羨ましいか。

素敵な考えの持ち主にそんなになりたいか。

な、ならんぞ、あたしの脳みそちゃんよ。

嫉妬恐ろしいわ。

「お前ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ。」

本気で殴ろうとしてるっ。

命、危うしではないか!!