そういえば、何の違和感もなかった。

やっちゃんさんとターヤンさんがずっと

近くでやり取りを見ていたことには気付いてた。

「あの、失礼を承知で聞きますけどもその・・

えっと、もしかしなくとも」

「いつか知られるかなとも思ったんだけどね、

さっきの様子を見ると日和ちゃん混乱してた

みたいだし俺たちのこと忘れちゃってるかな

とも思ったんだけどね。」

やっちゃんさんのサングラスは夜に溶け込むような

黒が素敵だなとずっと思ってた。

「組員で千治たちの監督者だ。頭に直属言いつけ

られてっから小遣い稼ぎにバッティングセンター

の受付とかしてるけど本職はヤクザだ。」

「よーく見てみると見えなくはないですよね。

ドラマに出てそうな金髪オールバックですもんね。

サングラスも怪しげですし・・えっとえっと」

「怖がらせちゃったかな?でも、俺たちはいいけど

千治やこいつらのことは怖がんないでやってくれないか。」

あたしは知っている。

やっちゃんさんもターヤンさんもとても優しい人だ。

みんなの味方でみんなを心の底から心配してたりする。

「あたしは稜さんにも言いましたが、極道とか

そういうのに詳しいわけではないのです。

だから、どんなに危ない組織でもしかして

やっちゃんさんのサングラスの下は極悪人

でターヤンさんに投げ飛ばされるかもしれなくとも

あたしが知っているお2人を怖いと思えません。」

だって、あたしがピンチの時にやっちゃんさん

ヒーローのように助けてくれた。

しりとりだって付き合ってくれたんだ。

ターヤンさんはみんなをちゃんと叱っていた。

悪いことは悪いってちゃんと言える大人だ。

「もちろん、ちぃ君もみんなも同じです。

不良とか極道とか関係なくお友達なのです!!

怖くなんかありません。そのあたしは可笑しい

かもしれませんが、変かもしれませんが本当に

怖くなくてむしろ嬉しいのです。」

内面的なことはいつだって曖昧だった。

ちぃ君があんな顔をするんだって知った。

やっちゃんさんとターヤンさんがみんなと

ホントはどんな関係だったかを知れた。