「千治、話があるから帰って来い。」

稜さんも曲げる気はないらしい。

「ここで話せ。」

「ここで出来ねぇから帰って来いって言ってんだろ。」

「知らねぇ。」

「駄目だ、今日はぜってぇー連れて帰んぞ。」

ここで、口を出してしまって良いものか?

「ちぃ君、折角だし稜さんとお話をしてきたら

どうですかね?」

しかし、馨君が強情なちぃ君に困惑していたから

助けにならないかなと思って口にしてしまっていた。

「ほら、稜さんは日頃会えないちぃ君と親子水入らず

で話したいことがあるのかなと・・・明日お汁粉

たくさん作ってあげますからなんならどら焼きも

つけましょう!!」

「仕方ねぇな。」

の、乗ったよ!!

あんなに嫌がってたのにやっぱりお汁粉最強だ。

そして、どんだけ甘いもの好きなの?

今日の帰りは小豆を購入せねばならなくなった。

どら焼きも買いに行かなきゃだ。

まだ、不満そうに納得してないちぃ君。

今日は始終ご機嫌ナナメを貫くつもりらしい。

「さすが、日和ちゃんだ。やっぱり、家に

嫁に来てくれないか?」

「結構です、先ほども言いましたがお断りします。」

稜さんが残念そうに眉を下げる。

「やっぱり、即答なんだね。」

「てんとう虫のサンバ覚えねばならなくなるわ。」

「そんな理由で!?」

「切実な理由です!!てんとう虫がしゃしゃり出る

のですぞよ!!」

「日和ちゃん、稜さんが困ってるよ。」

だ、だって、馨君!!

てんとう虫が踊るんですぜ?

あたしもてんとう虫にコスチュームチェンジして、

森でカーニバルサンバを披露せねば。

ぐふふっ、触覚は可愛くして欲しいわ。

背中のまだら模様がキュートよね。

※妄想です、決して病気ではありません。

学芸会でてんとう虫役が出来なかったのが

イマイチ心残りだったのよね。