だからあたしも稜さんを真っ直ぐ見つめた。
「ええ、こちらこそお供させて頂きます!」
無理してるわけじゃない。
ただ、みんなと一緒に居ると楽しい。
幸せだと感じているのかもしれない。
「ハハッ、頼もしいな。」
「頼れる女になることが目標ですから!」
ふんっと鼻息を噴出した。
「頭、ここじゃそろそろ・・」
ターヤンさんが、こっそり出てきた。
そうだ、ここはファミリーが楽しく
お食事をする場でそんな中でこのドタバタ騒動。
「か、か、か、頭!?」
今、ターヤンさんスラッと呼んでしまったが、
まさかとは思うが・・・そのターヤンさんも
ご職業が・・・いや違うだろうよ。
ターヤンさんはバッティングセンターのオーナー
じゃなかったかしら?
やっちゃんさんに視線を向けるとサングラスが
ピカっと光っていた。
「ああ、分かってる。葛木に連絡して迎えを
寄越すからお前らはしっかり日和ちゃんを
送り届けろよ。」
「まだ、話は終わってねぇだろうが。」
ちぃ君がズイっと前に出る。
「仕方ねぇな、準備はいいか?」
「ああ、ささっとケリ付けろ。」
「ずいずいずっころばし・・・」
ハッ!?
な、何やってんだこの親子?
「茶壷に追われてどっぴっしゃん・・」
あの、親子共々天然だったのか。
「馨君、あれは日常茶飯事なのか?」
「今日はたまたまじゃないかな。
いつもあっち向いてほいか、叩いてかぶって
じゃんけんぽんとかそういうの結構稜さんが
好きだからね。」
稜さん、可愛いぞ!
ハードボイルドの裏の顔はお茶目さんだ。
ちょっと、ムムっと思う言動が通りであるわけだ。
これで、納得が出来たようなものだ。

