ふと稜さんと目が合った。

「日和ちゃんはこいつらの中で彼氏にしてーと

思うヤツは居るのか?」

「は、はいっ!?」

今、なんて言ったんだ。

幻聴だったのかしら、あたしったら耳鼻科に行かないと

難聴だったら大変だわ。

「そういや、待ち人・・・いや何でもねぇ。」

「あの、誤解があるようなのではっきりと言いますが

恋愛感情はびた一文ありませんよ!」

「あーあ、顔は文句ねぇはずなんだけどな。」

「ち、違いますよ!あたしには勿体無いですからに!

ちんちくりんの分際ですからみんなに失礼です。」

「日和ちゃん、可愛いよ?」

「な、何を仰言いますか!!」

と、とんでもない親子だわ。

ちぃ君の遺伝子は稜さんから来てるのね!!

「滅相もございませんよ。」

「そんなこと言わないで、家にお嫁においで。」

「遠慮させていただきます。」

「随分と即答だね。」

ズバリちぃ君と結婚しろと?

それはご勘弁をしてくだされだ。

「ははっ、千治じゃ気に入らねぇなら

そこの誰とくっついてもいいんだけどね。」

「すみません、まだ15ですので。

そして、みんなはお友達なので!!」

「じゃあ、気が向いたらでいいよ。

遊びに来てくれると嬉しい。」

稜さんに是非と言おうとしたら、

ちぃ君にグイっと手を引っ張られた。

「お前は来るな。」

「な、何故だ!?」

折角、稜さんがお誘いしてくれたというのに。

ちぃ君、未だにご機嫌ナナメなご様子。

「お腹でも壊したのか?」

ここまで来ると体調が悪いのかなと思ってきてしまう。

「それとも、頭痛くなった?」

空いた手をちぃ君の額に伸ばそうとしたら、

「マジで勘弁してくれ。」

「えっ?」

ちぃ君に両手を掴まれた。