でも、待てよ。
一旦、話を整理しようじゃないか。
ダンディーさんは極道の親分やっているのだよね?
その倅・・息子のちぃ君は!!
「何、やってんだおめぇ。」
慶詩の呆れ顔を前にムーンウォークで退場
しようとした計画は潰れてしまった。
「え、えっと、皆さんご兄弟で?」
「んなわけあるか。」
「全員、俺の息子だとは思ってる。」
ダンディーさんの言葉に感動した。
「す、素敵な心意気です。」
キラキラと目を輝かせてダンディーさんの
手を握っていると横に居たちぃ君がぺしっと
手を叩いてきたので驚いてちぃ君をガン見した。
「何をする!?」
ちぃ君に大魔王が降臨された。
「ひっ」
短い悲鳴のような声を出すと、
右手を捕まえられてダンディーさんとの間に割り込んできた。
「ち、ちぃ君まさかあたしに嫉妬!?
お父さん取られちゃうと思っちゃったのかしら。
そんなことはしないよ!!大丈夫さね!!」
「お前は黙ってろ。」
ち、ちぃ君のご機嫌ナナメ度半端ない!!
どうしちゃったんだい、今日はたい焼き食べてないのかしら?
やはり、お汁粉そんなに飲みたかったか。
「ふはっ、ホント君って子は・・ぶっ」
ダンディーさん、さっきから笑いすぎじゃありません?
目を丸くしてダンディーさんを見つめた。
「可愛いと思って甘く見てたらここまで
面白いと清々しいもんだな。通りでこいつらが
振り回されてるわけだ。」
「ちぃ君、理解不能だ!お父上様はなんと仰っておるのだ?」
「お前の方が理解不能だ。」
「エット、ニホンゴシャベレマスカ?」
「何で、カタコトになんだおめぇ。」
慶詩、あたしはとてつもなくパニックなのだ。
今世紀最大のパニックだと思うんだよね。
しかし、ちぃ君もう少し加減してくれ。
手が折れてしまうじゃないか!!

