Hurly-Burly 4【完】


田中は上條さんはナルシストで勘違いする人だって

言ってたけど、その勘違いするナルシストから女神

と言われて悪い気はしなかった。

「はぁ?上條、そういやおめぇーのこと散々勘違い

したあのヘタレナルシストのことか?」

け、慶詩、酷い言い草だ。

あたしのこともそうだけど、上條さん可哀想な上に不憫だ。

「ヒヨリン、アイツのこと気になるの?」

ナル君のクリクリお目目がキュートだ。

「いや、別に興味はないけど、みんなのお友達だと

いうのにあたしは失敬なことをしてしまったでしょう?

さすがに背負投はやり過ぎたかなと後々の反省事項だ。

菓子折りを持って謝りに行った方がいいのかと考えて」

「あ、それは大丈夫だよ。アイツ、丈夫だからね。

でも、日和ちゃんにはビックリしたかな。」

馨君がクスリを笑って和む。

「そうだよな、ヒヨリン背負投とかよく出来たよな。

ヒヨリンより背あるはずなのにやっぱヒヨリンすげぇーな。」

ユウヤ、あたしそんなすごいことしてないよ。

「ただ、うるせぇーのよん。」

伊織君、また煙草をスパスパして!

「伊織君、持ってる煙草を全部テーブルの上に出すんだ。」

バンバンとテーブルを叩く。

「小姑かよ~」

「小姑でも何でも学校で煙草は駄目よ!

せめて、お外で吸いなさい。」

また、副校長に嫌味言われたちゃうじゃないか。

本当ならば、法律も守ってもらいたいところだけど

伊織君はきっと煙草をやめられないからその内やめたく

なるまで何も言ってやらない。

だけども、委員長としては見逃せない。

「外でならいいのかよ~」

「生活指導部のゴツイ先生が煩いんだから

追いかけられたくないでしょう?」

この前、見つかって追い掛け回されてる男子生徒

見たから注意しなきゃとは思ってた。

「日和ちゃんが居ると助かるね。」

馨君が伊織君を見ながらクスリとまた笑った。

今日は、馨君よく笑うな。

伊織君がへいへいと言いながらポケットで

くしゃくしゃになった煙草を出す。