Hurly-Burly 4【完】


本当ならば、退学させられるところでもあった

と聞いた時は心臓が凍りつく思いだった。

それを覆したのは校長と相沢だったとか。

『美男、そっちはどうだ?』

「全然駄目だ。ヒヨリンどこに行っちまったんだ!!」

『こっちも全然手がかりなしだ。それはそれでいいんだけどな。』

ももっちは確か北地区に行ってるんだっけな。

もっくんは南地区の方に付いて行ってたよな。

「おうっ、千治君じゃねーか。」

「何しにきやがった。」

千治さんの前に現れたのは相沢だった。

こうやって見ると生徒に見えてくる。

「冷てぇーな、ひーちゃんにも冷たく

されるんだから千治君ぐらい優しくして

くれてもいいじゃんね。」

「とっとと失せろ。」

「そんなこと言っちゃうんだ?

俺、一応担任の先生なんだけどなー。」

「・・・今は構ってられねぇ。」

「そっか、ひーちゃん捜索してるんだったっけか?」

「ああ、ささっと失せろ。」

「間に冷たいね、千治君は。」

「・・・・・・・・・・・・」

「シカトですか?」

「ウザイって言われんぞ。」

「ひーちゃんには言われなれてます。」

電話口からそのやり取りを冷や冷やしながら見てると、

相沢がニヤリと笑った。

「そんなにひーちゃん大事にしてんだ?」

「お前、殴るぞ。」

「教師に暴力振るっちゃ駄目でしょ?

ひーちゃんに怒られちゃうよ。」

「イラつくからその喋り方やめろ。」

「じゃあ、1つ教えてあげようか?」

「お前のことは信用してねぇ。」

千治さんが面倒臭そうにあしらおうと

した時に相沢が口を開いた。

「案外、近いところに居ると思うんだけどね。

俺、見ちゃったし。ひーちゃんが連れ去られるところ。」

相沢はヘラヘラ笑いながら千治さんの肩に手を置いた。