美男と合流した時、美男は額に汗を浮かべて
手にしたケータイを不安そうに持っていた。
「美男、どうだ?」
「駄目だ、この辺は一通り探した。」
「それが、ひーちゃんのケータイ?」
「あ、もっくん。おうっ、そうなんだよ。
ほら、ここ血が付いてんだろ?」
ケータイの画面に付いた赤黒い血痕の痕は
生々しくて痛々しかった。
「しかも、ヒヨリンおでんも置いてってんだ。」
「慶詩さんに連絡は?」
「した、街の方に捜索隊出すってことに
なってるけど、こっちに来るまで待機してろって」
「美男、遅くなった。」
慶詩さんたちがゾロゾロやってきたことに
よってコンビニはヒヨリン捜索会議仮設置を
置くことになった。
「それで、日和ちゃんのケータイってそれ?」
馨さんが美男が持っていた白いケータイに
視線を向けた。
「はい、これとヒヨリンが食べていたであろう
フライドポテトが現場に残ってまして、あと、おでんも。」
馨さんが白いケータイを預かって血痕を調べる。
「これ、血痕じゃなくてケチャップだと思うけど?」
「えっ!?」
どうも、赤黒くケータイにこびり付いていた
のはケチャップだったらしく安堵した。
「日和ちゃんが無事かどうかは分からないけど、
とりあえず怪我はしてないかもしれないね。」
「ヒヨリンに怪我させたら俺が許さねぇ!!」
「ナル、落ち着け。日和ちゃんは馬鹿じゃない。
ある程度の力もあるわけだからここで混乱
しているよりも先に探し出した方がいい。」
「だけど、ヒヨリンが連れ去られたってのは
確定じゃねぇか?」
ユウヤさんの言葉に不安が過る。
「まさか、ヒヨリン。また北の奴らに・・」
ボソボソマイナス思考になりつつある周りに、
「ひよこのお嬢ちゃん、やってくれるじゃねぇ~の。」
伊織さんが煙草の煙を吐き出した。
「千治、どうする?」
京さんが千治さんに視線を向ける。

