多分、言いたいことは何となく分かってた。
それは、何気に長い付き合いだからだと思う。
ちぃーは、何も考えてないように見えて
よく考えてる方だからたまにちぃーの考え
が分からなかったりする。
「ちぃー、どうかした?」
俺の言葉にちぃーが口を開く。
「アイツは?」
ああ、やっぱりそう言うと思った。
「ヒヨリンなら、よっちゃんとコンビニ
行ったんだ。」
ナルがにっこりしながらちぃーが買ってきた
プリンを美味しそうに食べる。
「そうか。」
「最近、よっちゃんと仲いいよな。
見知らぬ内に急接近してたら嫌だな。」
ナルが口を尖らせながらプリンを突っつく。
「美男にその気は全くねぇだろ。
大体、ナル。趣味が悪すぎる。」
慶詩がやれやれと呆れた口調で言うと、
ナルが慶詩の足を蹴った。
「悪くねぇもん。ヒヨリン可愛いんだ。
慶詩の方が趣味悪ぃんだ!!」
「おめぇ、痛ぇな。」
ふんっとそっぽを向くナルに足を摩る慶詩。
馨がトポトポお茶を淹れる。
部屋ではよく集まるメンツたちが騒いでた。
いつも見る光景で大したことはないはずだった。
ヒヨリンと美男が出かけてどれぐらい経った
のか?ちぃーが買ってきたたい焼きを全て
食べ終わると同時にけたたましく着信が
部屋に鳴り響いた。
その着信は何故か嫌な予感を過ぎらせた。
「ん?何だ、俺のか。」
慶詩がケータイの画面を確認する。
「美男?何の用だ。」
何でもなさそうにただ不思議そうにケータイ
を見て、ケータイに出た慶詩がすぐに眉間に
シワを寄せたのは次の瞬間だった。
「今、何て言った?」
ケータイを片手に自分の髪を面倒臭そうに掻いた。
―――――――― それは、慶詩がイラついた時の仕草だった。

