よっちゃんが何言ってんだと言いたげだ。
でも、あたしのことなんか考えてる場合なのか!?
ちぃ君、モテるであろうよ。
あたし自惚れてないから自分が平凡な顔だって
ことぐらい分かるが、ちぃ君ほどの極上イケメン
なら彼女が居ても可笑しくないはずだ。
もしかして、甘いものを買いに行くとか言いながら
彼女との密会をしているやもしれん。
な、なんと、そんな極秘情報にしたかったのか?
まぁ、確かにちぃ君は自分のこと語ろうとはしないよね。
大体、みんなもあたしを構ってる場合じゃないだろうよ。
イケメン集団恐るべしっ!
「おーい、ヒヨリン?」
「ハッ!」
「大丈夫か、ヒヨリン!」
「はいっ、すまないっ。」
居るのかな、“好きな人”
でも、あの時チューリップを見つめて
いた時の表情を思い出す。
ちぃ君の綺麗な顔に影を落とすような
人が居るってことだよね。
それは、ちぃ君が片思いをしている的な!!
「ヒヨリン、口に出てる。」
「えっ!?」
ギクっなんですが。
「どこから、聞いてた?」
「千治さんが片思いしてる的なこと言って」
「わ、忘れてくれー!!」
「いやいや、ばっちり聞いちまったし。」
「な、ちぃ君には内密にするんだ。」
「内密にって・・・」
別に気にしてはいないもんね。
そんな人の1人や2人ぐらい居ても可笑しくない。
“実らない恋”黄色いチューリップの花言葉。
それを聞いた時のちぃ君の表情は忘れられない。
「そういや、昔聞いたことあるな。
中学の時付き合ってた英語だか国語だか
忘れたけど、秘密で付き合ってた先生が居るって話。」
「えっ」
「だから、千治さん英語か国語は嫌いだって話だ。
他はすげー点数いいのに英語か国語だけは欠点
だって、誰か言ってたな。」
よっちゃんはそう言った。

