「よっちゃんは自分のせいだと思ってるんだね?」
「だって俺のせいだろ。」
「ちぃ君はそんなこと気にしてないと思うよ。
自分がそうしたことすら覚えてなかったりね。」
だって、よっちゃんが落ち込んでた時片眼瞑っても
気にしてるような素振りだった。
「だから、ヒヨリンは」
「大丈夫だ、あたしはもちろんみんなの味方だ。
こう見えても、優秀な成績残してるから大人からの
信頼度も抜群だから何かあっても今度はあたしが
助けるって約束する。」
「千治さんが怖くないんだろ?」
「どこも怖い要素が見当たらないよね。
甘いものに目がなくて、昼寝が日課で
植物とかは水をあげすぎて枯らしそうになって、
よっちゃんを心配して変なメール送ってるし、
天然さんにマイペースを足したちぃ君なんて
怖くないじゃないの。」
みんな、そうだよ。
誰も怖いなんて思わない。
馨君もナル君も京様も慶詩もユウヤも伊織君も
もっくんとかももっちだって不良メンバーズも
全員不良らしくないほど怖くない。
「千治さんも他の奴らもそう思ってくれる
ことが嬉しいんだと思う。」
よっちゃんはにへっと笑みを浮かべる。
「不良なんかやってると恐れられるのに
慣れちまうんだよ。そん時の人の見る目は
すげー痛ぇんだ。」
きっと、あたしには分からないことだ。
恐れられたことなんてない。
だけど、分からなくもないよ。
人と違ってるあたしの髪色と目の色が周りの目に
どんなふうに映ってたか。
「だけど、ヒヨリンは違った。
最初っから俺らと対等の立場で見てくれた。」
「いや、あれはその連行されて不機嫌ではあったけど。」
「だからこそ、千治さんはヒヨリンを大事に思ってる。」
「どうだかな?」
ちぃ君が大事なのはお昼寝の時間と甘いものだと思う。
今日も居なかったけど、日課のたい焼きでも買いに
行ってたに違いない。

