何があってもあたしはみんなの味方だ。
最後にあたしだけしか残ってなくても、
絶対に救ってみせるわ。
「むしろ、全力でみんなを守ってやるわ。」
「・・・ヒヨリン。」
「ほら、そんな顔するでないよ。葬式に行く
みたいじゃないか。おでんが不味くなる。」
「けど・・・、」
「よっちゃん、あたしに不可能なんて文字ないの。
やると決めたらやるんだ。あたしが言ってるんだから
出来ないわけないの。」
「ヒヨリン、危なっかしいことだけはやめろよ。」
「そんなの危なっかしいかどうかなんて分からないでしょ?」
「分かるって!」
よっちゃんが慌ててアタフタしてる。
「大体、ちぃ君もそんなこと言ってたよ。
あたしを危なっかしいとか何とか。
ちっとも危ない女じゃないよね。
あぶない刑事ならよく見るよ。
よっちゃんもああいうダンディーな男になるといいよ。」
「千治さんが?」
「う、うん、ちぃ君ってたまによく分からないこと言うよね。」
「ヒヨリンってすげー鈍感なんだな。」
「鈍感って意味分かってるのか?」
「そこまで、馬鹿じゃねぇよ!!」
「そうかね?」
よっちゃんに鈍感って漢字が書けるかどうか。
「千治さんが入学式の時の事件起こしたの知ってるよな?」
「へっ、うん。」
「相手は3年の先輩たちだった。」
「・・うん。」
「先輩たちに絡まれたの俺だったんだ。」
「えっ・・・?」
「殴られて伸びてる俺見つけたのがユウヤさんで、
俺は伸びて気絶してたから覚えてねぇんだけど、
気が付いたら千治さんのせいになってた。」
「そっか。」
「俺のせいだったのに、千治さんが被ることない
罪背負わされて停学になっても俺・・何も出来なかったんだ。」
よっちゃん、それってどんなに辛かっただろうね。
自分のせいで憧れてる人が責任を負わされたら、
そんなことあたしに話してくれたんだね?

