「ヒヨリン」
よっちゃんのアフロに目線を向ける。
「あのさ、ヒヨリンは・・」
「よっちゃん、何か言いたいことあるなら
ちゃんと話しておかないと後悔しても知らないよ?」
またしても、ヘタレたがるなよっちゃん。
「この間のことなら、もう気にしない方がいいよ。
よっちゃんにはきっといい人が居るよ。
だから、諦めるでないよ!」
「そりゃ、分かって・・んだ。」
「んっ?じゃあ、どうしたの?」
よっちゃんからは微かにキャラメルの匂いがした。
「ヒヨリンはどこにも行かないよな?」
「えっ?急にどうした!?」
「俺は、すげーヒヨリンに助けられて
ばっかで大した役にたったことねぇけど、
ヒヨリン居なかったら俺また留年してる
かもしんねぇし、馬鹿だから結構見捨てられる
のにも慣れてんだ。」
「そんなこと慣れんでいいわ!」
「だけど、ヒヨリンは勉強とかも一から
教えてくれんだろ?遊んでもくれるし・・・」
「あたしへの愛の告白かね?」
「ちげぇよ、もしもヒヨリンが居なくなったら
みんなすげー寂しがるんだって言っときたかった。」
「心配しなくても高校卒業するまでは面倒見るって
言ったではないか。」
「それからだって、集まったりしような。」
よっちゃんの笑顔に言葉を返せなかった。
集まったり、出来るのかな?
高校卒業したらあたしは一ノ瀬の後継者になる。
そしたら、今までのように自由な生活なんて
出来なくなるに決まってる。
みんなと一緒に居られなくなる。
だから、こうやって思い出をたくさん作っておきたい。
心に全て埋め尽くすような思い出が出来ればと思い、
この先何があっても挫けないように出来るだけたくさん
の思い出を胸に仕舞って少しずつ準備をしていく。
今はまだ傍に居られても必ずやってくるその日までに
はちゃんとお別れ出来るように笑顔の練習しておかなきゃだ。

