Hurly-Burly 4【完】


***



「ヒヨリン、食べ物に釣られるとかどんだけ

食い意地張ってんだよ。」

「美男に買い物リスト渡したか?」

「さっきまで、外に出ないというよりかは

その場から動かなそうだったのにな。」

「美男、マジでヒヨリンと仲いいな。」

不良メンバーズの騒ぐ声がわんさかと

盛り上がる一方ソファー周辺。

「日和ちゃん、あの一件からまた美男と

仲良くなったみたいで良かったね。」

スッと読みかけの本を取り出した馨。

「良かったんだろうけど、よっちゃんばっかり

ヒヨリンと仲良くなると寂しくなるな。」

ナルがトランプのカードを見つめながら

ポツリ呟いた。

「ナル、お前の趣味可笑しすぎるだろ。」

「慶詩の目が節穴なんだろ!」

ナルと慶詩の言い合いの中トランプを

中央に投げ出す伊織に便乗して京がトランプ

を前に出すと不吉にも持っていなかったはずの

ジョーカーが前に来ていた。

「そういえば、中央地区の件どうなった?」

最近、可笑しなぐらい平凡な日常が

続いているせいか忘れかけていたことだった。

「それは、今百瀬ともっくんに任せてある。」

慶詩の言葉にホッとするもこっちのボスが

呑気に和菓子を買いに出かけてる。

さっきから、千治が出てこないのはその

ためでもあった。

「でも、当分向こうは動く気がないみたいだし

京が気を張らなくても大丈夫だろ。」

「それは・・分かってる。」

「それとも、他に気になることでもある?」

「・・・ひよこ」

「日和ちゃんなら、大丈夫だよ。

抜けてるところあるけど、肝心なところは

しっかりしてるし、危ないことには首を突っ込み

やすいところが心配の種ではあるけど、一応注意

はしてるつもりだよ。」

馨が本から視線を外して京に笑いかけた。