「・・・・ひーちゃん、いつまでそうしてるんだよ?」

あれから、よっちゃんは元気を取り戻した。

彼女の噂を後日告げたところそれはそれは

オーバーリアクションしてくれた。

そして、自分の見る目のなさにかなり凹んだ。

「お外は天敵なのです!!」

「子どもは風の子ってさっき言ってたよな。」

「おうっ。」

不良メンバーズがさっきから鬼ごっこか

かくれんぼどっちがいいよと多数決を取っている。

「あ、あたしは子どもじゃないもんね。

立派なレディーを目指してるか弱い乙女だもの。」

「嘘だよな、それ。」

ま、真顔で言うな不良メンバーズ会員番号何番

か忘れたけどそこの君!

「さっき、俺はこの目で見た。」

「俺も見たぜ。」

「ヒヨリンの逞しい姿はばっちり見てるぞ。」

逞しいとか言わないでくれよ。

一応、あたしこの物語の主人公だよね。

可愛げないとか言われることより傷つくわ。

「な、何のことだね。」

「惚けるんだな。」

「ひーちゃん、そんなとこで丸まってねぇで

こっち来て遊ぼうぜ!」

「だから、お外は天敵なんだ。」

寒くてひざ掛けを体に巻きつけて読書をしている

あたしに遊びに誘ってくれる不良メンバーズ。

これが、夏だったら飛びついてた。

「さっきの体育はばっちり見たぜ。」

「・・・記憶から抹消してやろう。

頭を差し出すんだ君。」

「俺は、感動した!!」

「俺が女だったら惚れてたぜ。」

それは残念だったな。

お前は、完全なる男だ。

「だから、俺は尊敬するぜ。」

彼はどうやらあたしが体育の授業で使った

バドミントンのポールを二つ担いだことに

対して尊敬の眼差しを送ってくれてるらしい。

別に、そんな大したことない話だ。

ウチのクラスの女子はか弱い子が多い。

体育は男子と別々なため肉食女子に変貌する子

も多発するが、しかし力は非力なものでここに来て

あたしの出番が到来したわけだ。