放課後、ナル君に強引に連行された。

今日は、早く帰らなきゃいけないのに困った。

とりあえず、大和さんを待たせないように

メールで少し遅れますと送った。

本を読みながらブツクサ言ってるあたしは日常茶飯事

だけど、今日は思いっきり自分の世界から帰還出来てない。

そんなあたしをサユは疑いの眼差し向けてたから夜辺り

家に来そうで、バレてしまわないかヒヤヒヤしている。

「日和ちゃん、ハーブティー淹れたよ。」

「ありがとう。そこに置いといてくれると助かります。」

「ヒヨリン~、今日は全然遊んでくれないじゃんか。」

よっちゃん、黙っとれ。

「ヒヨリン、本ばっかり。」

「ひーちゃん、鬼ごっこしようぜ。」

「それとも、やっぱりここは缶蹴りか!?」

みんな少しはあたしに時間をくれないかな?

そりゃ、遊んでくれることは有難いけど、

駄目だみんなのせいにしちゃいけねぇーわ。

「うん、いいけど外は寒いから中で遊べることに

してくれると有難いんですが。」

「おうっ、中で遊べるもんにしよーぜ。」

ももっちがまとめてくれるならと思って、

読んでも居なかった本をパタンと閉じて

不良メンバーズの輪の中に入った。

結局、何故か大勢で七並べをすることになった。

しかも、手持ちの枚数が少なくてすぐに抜けて

手持ち無沙汰になったところをまたもやナル君

に強制連行されてソファーの上で考え事。

「日和ちゃん?」

「あ、薫君。今日は何日だったかな?」

「日和ちゃん、大丈夫!?」

「頭は至って正常運転中ですよ。」

「全然上の空だろ。」

慶詩、意外とよく見てるような気がする。

「そんなことはない。兄ちゃんがレベルを

上げすぎて最近中々勝てないのよ!」

ゲーム攻略法で悩んでいるということは

本当のことである。

「本当にそれだけ?」

ナル君、グイッと顔を近づける。