早く、冬が終わって欲しいなって思うほどだ。

その分、夏は暑苦しくてしょうがなかった

ジョセフィーヌが大活躍の季節だ。

あたしが布団に入る前から陣取ってお布団を

温かくして待っててくれる。

「ジョセフィーヌに美味しいドッグフード

買って帰らなきゃだ。」

きっと、お腹を減らしてあたしの帰りを

待ち構えてるに違いない。

「あたし、スーパーに寄って帰るから

先に帰ってくれて構わない。」

「日和ちゃん、もう暗いから送らせて。」

「まだ、8時ですけどね。」

暗いと言っても冬が近づいてるせいである。

夏でも8時は暗くなってるけど、平気で

スーパーに言ってたからとくにそんな危険を

感じる時間帯じゃない。

「馨君って心配性だね。」

「日和ちゃんが1人で帰ったらこの間みたいな

ことになり兼ねないよ。」

「その節は、大変ご心配ご迷惑をおかけしまして。」

「そうだよ、ヒヨリンとまだ一緒に居たいっ!!」

潤んだ瞳を向けられてナル君の熱意を受け取った。

「は、はいっ。是非とも、ご一緒して頂けますかね?」

恥ずかしげもなく素直に感情を言葉に出来るナル君

を羨ましくも思った。

「そんなの当たり前だ!!」

「目指すはスーパーはなまるです!」

「おめぇー、先陣きってるけど迷子になんぞ。」

「ひよこ、反対。」

どうも、あたしは道覚えが悪いようだ。

しかし、方向音痴なわけではないと・・・思う。

開き直ってナル君と後ろに下がって喋りながら、

後を着いて行くことに徹した。

何故かと言えば、馨君が下がっててと笑顔で

言うからである。

これは、不可抗力だ!

だが、馨君に文句など恐れ多いわけで静かに

着いて行くことに決めた。

何せ、馨君には誰も逆らおうと思えない何か

恐るべき者が背後に潜んでいるかのように感じるからだ。