「おっさん、眼科言った方がいいぜ。」
慶詩とユウヤがケタケタ笑ってる。
「お前らもしかし大きくなったもんだな。」
おじさんがおでんをグツグツ温めている。
「あん?俺らに会ったことあるのかよ?」
「慶詩、目上の人は敬え!」
「知らねぇやつ敬えっかよ。」
全くどうしてこうひん曲がった性格してんだ。
その金髪のハネ具合のせいなのか!?
「日和ちゃん、ツッコミそこなんだね。」
「えっ?」
馨君がにっこりと笑みを浮かべて首を横に振った。
「ところで、おじさんとみんなはお知り合いなの
ですよね?ま、まさか、みんながおでんの食い逃げ
でもしたんですか!?」
「おめぇー、抜かしたこと言ってんじゃねぇぞ。」
「ぼ、ぼっ、暴力は良くないんだぞ!」
慶詩に殺意を向けられた気がする。
危うく、頭皮がつるっぱげになるほど
叩かれるところだったに違いない。
さすが、ナル君だ。
あたしから慶詩をシャットダウンして、
鉄壁の守護神となった。
「ヒヨリンに暴力振るったら許さないぞ。」
ナル君、可愛い顔で言っても・・・。
「ナル君、カッコ可愛いよ。」
「そ、そうか?」
ほっぺをピンク色に染めるナル君は女の子みたいだ。
「へぇ~、仲良くやってんだな。」
おじさんが牛すじ食べるかいと聞いてきた。
「食べますっ!」
「ヒヨリン、渋くね。」
ユウヤにおっさんみてぇだなと言われて
心にダメージを負った。
「あたしはピチピチの華の女子高生なんだが・・
まだ、15歳でキュートなレディーなのに、
いきなり性別変えられた・・・」
「わ、悪かったって、そんなに落ち込むことねぇだろ。」
ユウヤ、覚えてなさいよ!
いつか、絶対に泣かしてやる。
この心の傷はいつまでも覚えててやるんだから。

