Hurly-Burly 4【完】


しかし、結構暗くなってきたな。

あ、ジョセフィーヌのご飯どうしよう。

今日も少しばかり遅くなってしまうが、

待っててもらおうかな。

「ヒヨリンっていつもこんな時間にこの辺

歩いてたりしないよね?」

「へっ?」

ナル君が潤んだ瞳を瞬かせる。

この辺を1人で歩いてるかだっけ?

う~ん、最近は減ったと思うんだよね。

「たまに、あるかもしれないけど何か

まずかったかな?」

この辺は滅多に来ないけど、近くに

古書店があってまとめ買いしに来たり

する日にはついつい遅くなることもある。

「暗い時に帰る時はお供するからなっ!」

「えっ、わざわざ悪いよ。」

「悪くなんかない。」

ナル君、最近押しが強い。

「わ、分かったよ。気が向いたらね。」

「絶対だかんな。」

ナル君が可愛く笑みを浮かべる。

その可愛さは日に日に磨きがかかってる。

「あっ、着いたよ。ほら、あの提灯が

目に入らぬか!!」

「ヒヨリンって時代劇好きだろ?」

「ユウヤ、時代劇好きなのか?」

「いや、ヒヨリンが好きだろ。」

「好きだけど、何か?」

「なっ!!お、俺の対応酷くねぇか?」

「ちゃんと答えたではないの。

無視しなかっただけ有難いと思って欲しいわ。」

ブツブツ文句をいうユウヤを横目に、

見知ったおじさんの顔に暖簾を潜った。

「おじさん、会いたかったよ!」

「おっ、朝陽の可愛い愛娘の日和ちゃんだ。」

「そんなことないですよ。父さんの愛が異常

なだけで普通の小娘です。」

「またまた。あれ、今日は透真居ないのかい?

藤永も居ないようだけど、・・君は。」

おじさんがちぃ君を見て目を見開く。

お、お知り合いかしら?