Hurly-Burly 4【完】


このまま、兄ちゃんが結婚出来なかったら

あたしは一生兄ちゃんを養って行かなきゃ

ならないのかというのが悩みの種になりつつある。

「やっぱり、こっちで合ってるよ。

さすが、あたしだ。記憶力はいい方なんだから

間違ってるはずがなかったんだ。」

「ひよこ、電柱ぶつかる。」

ゴンッと後頭部に鈍い音が響く。

「京君、もうワンテンポ早く言って欲しかったよ。」

「ごめん・・・・」

しゅんとしたかのように顔を伏せる京君に

罪悪感を感じてしまった。

いや、悪くはないのよ。

余所見したあたしのせいだから100%京君に非はない。

むしろ、京君を責めるあたしは重罪だ。

裁判で裁かれるべきだ。

人のせいにしてしまったの刑で囚人になったりなんか

したら・・・・あのボーダーの服を着せられるんだろうか?

「ひよこ、気にしてないから・・・」

あたしがゴンゴン額を電柱に打ち付けていたのを

見て京君が心なしか困惑した表情を浮かべながらも

多少心配しているようでボソッと呟いた。

「うげっ、京君ごめんよ!!

なんて、君は優しいんだ。責めてしまった

あたしを許しておくれ。」

「だから、気にしてない。」

京君、君はなんて照れ屋さんなんだ。

「日和ちゃん、額が赤くなってるよ。」

「あはっ、結構ゴツゴツ言ってたね。」

馨君が大丈夫って聞いてきた。

おでこを摩りながらにへへと笑った。

「おめぇ、ドMか!」

「ドMって何だ?何かの暗号か!!

それは機密情報なんだろうな?」

「マジでそのイカレた妄想やめろ。」

「な、何だと金髪野郎に言われたくないね。」

「はぁん?おめぇ、金髪を悪く言うんじゃねぇぞ。」

「別に悪く言ってないじゃないよ。」

慶詩が金髪をそんなに大事に思っていたとは・・・。

不良メンバーズは意外と洒落っけ多いのかね。