このまま、兄ちゃんが結婚出来なかったら
あたしは一生兄ちゃんを養って行かなきゃ
ならないのかというのが悩みの種になりつつある。
「やっぱり、こっちで合ってるよ。
さすが、あたしだ。記憶力はいい方なんだから
間違ってるはずがなかったんだ。」
「ひよこ、電柱ぶつかる。」
ゴンッと後頭部に鈍い音が響く。
「京君、もうワンテンポ早く言って欲しかったよ。」
「ごめん・・・・」
しゅんとしたかのように顔を伏せる京君に
罪悪感を感じてしまった。
いや、悪くはないのよ。
余所見したあたしのせいだから100%京君に非はない。
むしろ、京君を責めるあたしは重罪だ。
裁判で裁かれるべきだ。
人のせいにしてしまったの刑で囚人になったりなんか
したら・・・・あのボーダーの服を着せられるんだろうか?
「ひよこ、気にしてないから・・・」
あたしがゴンゴン額を電柱に打ち付けていたのを
見て京君が心なしか困惑した表情を浮かべながらも
多少心配しているようでボソッと呟いた。
「うげっ、京君ごめんよ!!
なんて、君は優しいんだ。責めてしまった
あたしを許しておくれ。」
「だから、気にしてない。」
京君、君はなんて照れ屋さんなんだ。
「日和ちゃん、額が赤くなってるよ。」
「あはっ、結構ゴツゴツ言ってたね。」
馨君が大丈夫って聞いてきた。
おでこを摩りながらにへへと笑った。
「おめぇ、ドMか!」
「ドMって何だ?何かの暗号か!!
それは機密情報なんだろうな?」
「マジでそのイカレた妄想やめろ。」
「な、何だと金髪野郎に言われたくないね。」
「はぁん?おめぇ、金髪を悪く言うんじゃねぇぞ。」
「別に悪く言ってないじゃないよ。」
慶詩が金髪をそんなに大事に思っていたとは・・・。
不良メンバーズは意外と洒落っけ多いのかね。

