頼りないように感じるけど、実際は案外出来る
男だったのかもしれない。
ううん、これはマグレだな。
兄ちゃんの行動には不可解なところが多いもの。
そして、また分かれ道が迫った。
「ヒヨリン、おでんじゃなくても・・・」
「こっちだな。」
「マジで迷子になってんじゃねぇの?」
「いや、こっちで合ってる!あたしに任せなさい。」
ユウヤと慶詩は納得してない顔で着いてくる。
「確か肝試しの時もヒヨリン先頭だったよな。」
「そ、そんな昔のこと忘れるんだ!!」
よっちゃん、あたしの汚点なんだけその事件。
今でも崖下りの恐ろしさ覚えてるからね。
「むー、迷ってないはずなんだけどな。
ここら辺で間違いはないと思うけど、
おでん屋さんらしいものがないよね。」
まさか、今日は定休日だったよのパターン?
いや、定休日は月曜日だって言ってた。
よっし、こうなったら電話してやろう。
「あ、兄ちゃん。この前、行ったおでん屋さん
ってどの辺だった?」
『ひーちゃん、おでん屋さん行きたいの?』
「うん、えっとね途中のポストを3個通った
ところまでは覚えてるんだけど・・・」
『そしたらね、その次の門で右だよ?』
「そうだよね。見つかんないよ。」
『んとね、多分今日はもう少し奥のところで
やってんじゃないかなー?』
「えっ、毎日違う場所なのか?」
『ひーちゃん、この前兄ちゃん言ったよ。』
「呂律回ってなかったから知らないんだ!」
『ひーちゃん、兄ちゃん今日帰らないよ。』
「どうぞ、真君にあまり迷惑かけないようにね。」
兄ちゃんはうふふと言いながらひーちゃん
愛してると言って電話を切った。
意味が不明である。
そして、ある意味病気なんじゃないかと思う。
シスコン病とか精神的にヤバイ状況なのかも
しれないと怯える。
兄ちゃんが嫌いなわけじゃないが、異常過ぎる
シスコン具合が心底心配になる。

