1週間が過ぎるのはあっという間のことで気付いたら
金曜日になってた。
嫌なことが待ち構えていると時間の進みが早く
感じたりするものなのかもしれない。
それにしたって、伯父さんがあたしに会いたいとは
一体どういう意味があるんだろうか?
疑心暗鬼っていうわけじゃないけど、こんな時期に
呼び出されるなんてよっぽどのことなのかもしれない。
大和さんは家に居たり、忙しくどこかに行ったりと
何をしているのかよく分からないけど準備をしてくれて
いることに変わりはない。
母さんに頼まれた仕事も全部終わらせて来てくれたって
言うし、すごくタフな人なのかもしれない。
「立花、ここの問当たってるぞ。」
今は英語の授業だった。
憎っくきグレチャ-相沢にギロリと視線を向けられる。
「はい、すいません。」
あたしがボーっとしていたせいかクラスのみんなが
ざわつくせいか隣で寝ていたはずのちぃ君からの視線
も鋭いものがあって冷やりと汗を垂らしながら黒板に
英訳を書き席に着く。
もちろん、英訳は何も間違ってないからクラスの子
たちはみんな何だとホッとする。
ポーカーフェイスなあたしを見てクラスの子たちは
みんな授業を再開させるけど、左右隣はそうもいかなかった。
「日和、ボーっとしてるなんて珍しいじゃない?」
「ボスが倒せないから必勝法考えてたの!」
「あんた、まだ寝ぼけてんの?」
真顔で言わないでサユちゃん!
本当にまだ寝ぼけてるみたいじゃないか。
あたし、ちゃんと目が冴えてるよ。
頬杖をついて教科書をパラパラ捲る。
「また風邪か?」
ちぃ君、起きてるなんて奇跡起こしたんじゃないの
ってぐらい珍しいんだけど?
今日の君はいつもと違いますなー。
「だから、必勝法考えてるの邪魔しないで!」
ブツブツ言いながら教科書を真顔で見て、
自分の世界に閉じこもった。