Hurly-Burly 4【完】


可哀想というべきなのか。

「ナル君、どうしたんだ?」

「ヒヨリンも何してんだ!!」

「えっえええ!?」

何故に怒られてるんだ?

「よっちゃんにティッシュあげようと

思ったんだけどな。」

折角、手にティッシュ持ってたのに。

行き場のなくなったティッシュさんが

寂しそうに出番ないのって聞いてくる。

「えっ、そうだったのか?」

ナル君がきゅるんっとあたしを見つめる。

「う、うん、他に何が?」

よっちゃんが地面から這い上がる。

「よっちゃん、起きれる?」

「俺、ヒヨリンが怖いっ。」

「あたし巨大化してないけど?」

「そういう妄想がマジで恐怖だ。」

「し、失礼なっ!」

よっちゃん、今度はあたしがタックル

かましてやんぞ!

「おいっ、おでん屋どこだ?」

「ち、ちぃ君ここで君のターン来ちゃったか!」



――――――――・・・・・


「確か、この辺だったはずなのだが?」

なんて、分かりづらいメモなんだ。

地図が読めないのではない。

この下手くそな書きなぐられた字は

兄ちゃんが酔っ払った時のだ。

「まさかの迷子か~」

伊織君、人が必死な時になんて呑気なの!

「だー!!もう分かりづらいこんなの要らない。」

ぺいっとメモ書きを捨てる。

「おいおいっ、捨てたらたどり着かねぇだろうが。」

「こういう時は思うがままに生きるんだ。

よしっ、こっちだな。」

「おめぇの勘は頼りねぇんだけどな。」

慶詩め、あたしの勘が正しかったことを

証明させてやるわ!

確かに、兄ちゃんと藤永さんと来たことあるから

大体の道は覚えてるんだよね。

あの時も、兄ちゃんはメモも何も持ってなかった

のにふらりふらりと歩いてたらたどり着いた。

さすが、ジャングルで生きてただけあると

思ったのはその時だ。

だけど、兄ちゃんと居た時はいつも迷子に

なったりすることはなかった気がする。