よっちゃんがイラついてるようだった。

「だって、あたしはよっちゃんじゃない。

同じ気持ちなんて共有出来ない。超能力者

でもないから心を読めるわけでもない。

だから、知ろうと努力をしているんだ。」

よっちゃんの肩をポンと叩いた。

「俺はヘタレなんだよ!」

「それはよっちゃんのマイナスなところだと

思ってるんだね?」

確かに、よっちゃんはヘタレだと思う。

でも、全てがマイナスなわけじゃない。

「男らしくないだろ!!」

「別によっちゃんが男らしいなんて思ったこともない。」

「ひ、ひでぇ。」

本当のことを言ったまでだ。

「だけど、もっとプラスに考えればいいじゃないか。

自分の短所が全てマイナスだとは限らない。

その中には、人に好かれてる部分もあるかもしれない。」

嫌なところばかりを見てしまうのは人間の本質だそうだ。

「俺にはもういいところなんて・・・」

「何を言っているんだ。あたしはよっちゃんの

いいところをたくさん知っている。」

何も全部を否定することではない。

「慰めなんて要らねぇよ。」

「聞け!!人の話は聞いておくもんだ。」

「た、例えば?」

星空が煌く空の下、よっちゃんと反省会を開始した。

風が冷たくて、路地からやってくる冷気に体温が

低下していくばかりだ。

「よっちゃんは馬鹿だ。」

「初っ端から、俺の短所・・・。」

「だから、気兼ねなく本心でぶつかり合える。」

「えっ!?」

「本気でガチンコゲーム出来るであろう?

気を使わなくてもよっちゃんは良かった。

初めて会った時だって、よっちゃんに警戒

心なんて抱かなかったと思う。」

「それ、褒めてんのか?」

何度も、思ってることだ。

きっと、よっちゃんが声を掛けてくれなかったら

あたしはここまで不良メンバーズと仲良くなれなかった。

自分が一番よく分かってる。