あたしの乏しい勘も多少はあてになる。

「何だ、大和来てたのか!」

いつの間にかそんな時間だったのか。

兄ちゃんが焼き芋いっぱい抱えて帰ってきた。

「こんな時期に戻ってくるなんてよっぽど

暇なのか?俺は、いつだって忙しいぜ。」

いや、今日仕事で出かけたんじゃないの知ってるよ。

遊びに言ってくるねマイ・エンジェルとか意味不明

なこと言って家を慌てて出てったよね。

「仕事は順調そうで何よりです。少し落ち着いたそうで

こちらも安心しております。」

「そうか、そうか。大和も俺のこと心配してたか。

よしっ、芋買って来たから食え。」

兄ちゃん、すごい出て来ないで欲しかった。

芋食えってお前が食ってろ。

師匠も相変わらず肩に乗ってるし、

大和さんもビックリだよね。

「それでは、一つ頂きます。」

えっ、貰っちゃう!?

大和さん、ここで貰っちゃうの!?

「はいはい、ひーちゃんの分もいっぱい買ったからね。」

うっ、芋好きだから貰ってもいいけど・・・

「兄ちゃんが皮剥いてやるから待ってろ。」

「えっ、いいよ。自分で剥く!」

兄ちゃん、あたしの楽しみ持ってかないで。

口ばしで猛攻撃仕掛けてますぜ兄ちゃん。

師匠が芋を食べているんですが、オカメインコ

芋食べちゃうのか!?

そんなことを思ってたら、ジョセフィーヌが

スリスリ足に擦り寄ってきた。

どうやら、目覚めたらしいウチのダーリン。

芋の匂いを嗅ぎつけてきたらしい。

皮を剥いて口の中に放り込むと毎年食べる

いつもの焼き芋の味がしてほっこりした。

まさか、兄ちゃんと大和さんと一緒に食べれる

日が来るとは思わなかった焼き芋味はあたしの

非日常的な現実から救い出してくれるスーパー

ヒーローだった。

焼き芋食べるとこんなに落ちつけたんだ。