何故か、視線が痛く突き刺さるのだが?
「おめぇー、俺らとつるんでるのに揉め事
どうとか言ってんのか?」
慶詩、何か勘違いしている!!
あたしが言いたいのはこの前みたいなことに
クルミちゃんを合わせたくないだけだ。
「この前の夏休みに見知らぬ人に追いかけられた
話をしたのは覚えてる?」
「あ?」
「クルミちゃんの友好関係は広いけど、
危ないことに巻き込まれる可能性も多々あるそうだ。
クルミちゃんは女の子なんだからもう少し自分
を大切にしなきゃ駄目だと言う話だ。」
「日和ちゃん・・・・」
「ああいう厄介な事件に巻き込まれるのは
しばらく結構だという話で、みんなのことは
正直とくに気にしたことがない。不良なんだから
揉め事の一つや二つでガタガタ言ってられないところだろう。」
そう言い終わったと同時に予告通りクルミちゃんから
メールが届いて受信ボックスを開いた。
「日和ちゃんって抜けてるようでしっかりしてるね。」
「抜けてないと思うけど(・ω・`)」
※髪の毛の心配をする日和に馨が心底困った顔をした。
受信メールに添付された写真を開く。
どんな魔性の女だろうかとワクワクしていたが、
それを見た瞬間ケータイ投げ飛ばそうかと思った。
「ヒヨリン、どうかしたのか?」
「ナル君、あたしはとてつもなく後悔をしている。」
「えっ!?」
「こんなことあるんだ・・・」
wantedと書かれた写真には今よっちゃんを押し倒そうと
頑張ってる向かい側の部屋に居る彼女。
可愛らしい見かけをした魔性の女だったらしい。
あれだけ、あたしが頑張ってと言って背中を
押した結果がこれだ。
注意するべきはあたしだった。
誰よりもクルミちゃんの話を真剣に聞くべきだったんだ。
それなのに、ここまでまんまと着いて来て
騙されっぱなしで情けないことこの上ない。
トイレでの口調も納得がいくわけで本当にやられた。
よっちゃんに謝罪会見を開くべきか悩むところだ。

