しかし、完全に下見の時の計画上にないところ
ばかりでどうも納得がいかない。
よっちゃんが計画を潰してるというのか?
な、何故そんな行動に出たんだ。
「あの、聞いてもいいだろうか?」
そして、気になることがある。
「ん?何が聞きたいんだ!!」
ナル君のプリチーな笑みにとろけてしまいそうだ。
「みんなはあの子をどう思う?」
今のところ、全くと言っていいぐらい悪いところが
なくてよっちゃんには勿体無いぐらいの子だと思ってる。
でも、あたしが見落としてるところがあるやもしれない。
「どうってとくに何とも。」
「可愛いすぎやしないか?よっちゃんの趣味が何となく
分かったけども、何故か腑に落ちないんだ。」
よっちゃんの隣で笑ってる彼女を見ると余計
何かひっかかってくるものがある。
「何だ?おめぇ、美男のこと好きなんじゃねぇ?」
「それは断じてないぞ!」
大体、あたしには人を好きになること
自体がよく分かってない。
「よっちゃんは好きだけど、もっくんと
ももっちや不良メンバーズと同じ類のもので。
腑に落ちないというのはよっちゃんが好きで
ジェラシーを持ってるのではなく、単なる勘だ。
どうも、あたしの小さな疑念というヤツで
気のせいということもあるから・・・。」
何か、出来すぎてる気がする。
こんなに簡単に行くものなのか?
それに、あの子はよっちゃんに気があるという
ことでいいのかな?
グルグル考えすぎてるのはあたしだけなのか、
よっちゃんと彼女が進むところには見たことも
お店が立ち並んでいてその1つのお店に入った。
「ここは、一体何だね?」
若者の溜まり場という感じだ。
店内に入ると騒がしかった。
「ヒヨリン、カラオケとか言ってるイメージねぇもんな。」
「こ、ここがカラオケというところなのか。
良い社会勉強になった。」
確か、クルミちゃんの話によく出る場所だ。
お歌を歌う憩いの場らしいが、ガンガンにかかる
音楽の音に目眩をしてしまいそうだった。

