馨君が難しそうな顔をする。
「でも、日和ちゃんがそういう感じだと心配だね。
絶対に知らない人に着いてのは駄目だよ。
そういう時は、交番に駆け込むか呼んでくれれば
来るからあんまり心配させないでね。」
「あたしは小学生だと思われてるのか!?」
馨君、いくらなんでも酷いじゃありませんか。
もう15のピチピチな女子高生やってるんですけどね。
こう見えて、全国模試1位を獲得して見せました。
「そういうわけじゃないんだけどね。」
「心配しなくとも着いて行ったことはない。」
「そうだと思ってるけどね。」
馨君の心配の種が分からん!!
「ひよこみたいなのは恰好の獲物だと思われる。」
京君、解説ありがとうございやす。
「それもよく分かってるつもりだ。
前に、どこかの宗教団体のミサに連れてかれそうに
なったことがあるからな。」
「おめぇ、騙されやすそうだもんな。」
「し、失礼なことを言うなっ!」
どこが騙されやすそうに見える?
このピチピチな女子高生を騙しても
そんなに得しないぞ。
す、素敵レディーになってやるんだからな。
プンスカしちゃってます。
プリプリ怒りながら、ズンズン前を歩いて
気を沈めるためにお経を唱えてます。
「日和ちゃん、不気味だよ。」
馨君、ズバリ言うわよじゃないんだから
そんなにナイーブな心をグサッと刺すような
一撃言わないで欲しかったな。
優しさプリーズなんですが!!
ぶつくさいじけているとよっちゃんと
彼女をもう一度見つけることが出来た。
「ヒヨリン、まだやるのかよ?」
「だって、一度引き受けたことを途中で
投げ出すのはあたしのポリシーに反する。」
「マジかよ。」
マジです。あたしの信念に背くようなことは
絶対にあたしが許さないのだ。
ということで、まだまだ尾行は続行だ。

