Hurly-Burly 4【完】


お手洗いを出てフラッとしていたら、

急に視界が暗くなったから驚いた。

太陽沈んでしまったのか!?それとも、

もう夜になっちまったのかねと思ったのだ。

「あの、すいません。君ちょっと変わった

オーラの持ち主だね。良かったら、一緒に

絵を売らないかい?」

お手洗いから出てきてすぐにこれだ。

一瞬、あたしの美貌を買われたのだと

ばかり思ったが、この手はよくある話だ。

大概、あたしのオーラを褒めるがそんなに

素敵なオーラをしてるのか見えないから

知りたいところでもある。

今回は一緒に絵を売ろうと来たか。

どうやって、断ろうかな。

「えっと、あのすまないが他をあたってく」

「誰だ、てめぇ!!」

な、ナル君のオーラが見えるような気がした。

ドス黒いオーラを纏ったナル君が・・・。

逃げるようにスーツ姿の男が立ち去った。

「畜生、騙せるかと思ったのに・・・」

ナル君がプンスカしながら男を睨んでた。

「ヒヨリン、ナンパされてんじゃん。」

「あれは、ナンパなどではない。」

「えっ!?」

大体、あたしがナンパをされるわけがないと

この前から言ってるのにな。

「一緒に絵を売らないかと誘われた。」

「何だてめぇ、勧誘されたのかよ。」

「いや、怖ぇじゃね~の。」

「よくあの手の話は持ちかけられるから

慣れてしまったのだが、あたしのオーラは

そんなにすごいのだろうか?」

「ただ、単におめぇなら騙せると思ったんじゃねーの。

あー、怖ぇ世の中だな。」

ね、ユウヤさっきから密かに笑ってるの丸見えだ。

笑うなら口開けて大きな声で笑ってくれた方が

まだマシというかスッキリするんだけどな。

「ヒヨリン、ぜってぇー俺から離れんなよ。

今みたいなのから守ってやっからな。」

いや、あたしがナル君を守ってみせるわ。

さっきから、ナル君を女の子だと勘違いしてる

のか指差して可愛いと言ってる男性の視線と

よくぶつかるのである。