Hurly-Burly 4【完】


それが、当たり前のことに変わってた。

友達のピンチを救うのが友達ってものだよね?

あたしはちゃんと彼らのお友達になれてるのか?

あたしだけが独りよがりなのかもしれなくてもいい。

自分の足で進んでいきたい。

どこかのお伽話に出てくるような待ってるヒロインには

きっとなれないからその前に行動起こしてやるんだろう。

「あ、みんなも一緒だよ。困ったことがあったら

言ってね。あたしどこに居ても駆けつけるよ。」

本当は何もないことが良いことだけど、

もしも何かあった時は力になれるように頑張る。

「ひよ」

「お嬢ちゃん、風船1つ要るかな?」

「えっ、・・・」

お、お子様だと思われてるのか!?

「何色がいいかな?」

「えっと、黄色が。」

はいっと言って差し出された黄色の風船は

ゆるく空中に浮いて漂う。

「結局、貰ってんじゃねぇか。」

「つ、つい癖で・・・」

そろそろ、大人になりたいですよ。

あたしだって、もう15だ。

春になったら、16になるのか。

時間は、あっという間に過ぎてゆく。

「満更でもねぇじゃね~の。」

「風船に罪はないもの!」

ナル君と手を繋いでる反対側の手に

しっかりと風船を持つが、余計目立って

しまったようだ。

「ど、どうしよう!風船が目立ちすぎる。」

「日和ちゃん、美男完全に見失ったよね?」

馨君、なんということだ!

「ちょっと、それは考えても見なかったよ。」

甘~い匂いが漂うところで今まで黙々と文句を

言わずに着いて来ていたちぃ君の目の色が変わった。

「ぐへっ、甘ったるい匂いが嗅覚を麻痺させようと

企んでいる!!これは、何かの戦略かね。」

「直ちに急行するぞ。」

えっΣ(゚д゚;)

ちぃ君、行く気満々ですかい?

あの、甘ったるい匂いのところに行く勇気が

ありません、隊長!!