それが、当たり前のことに変わってた。
友達のピンチを救うのが友達ってものだよね?
あたしはちゃんと彼らのお友達になれてるのか?
あたしだけが独りよがりなのかもしれなくてもいい。
自分の足で進んでいきたい。
どこかのお伽話に出てくるような待ってるヒロインには
きっとなれないからその前に行動起こしてやるんだろう。
「あ、みんなも一緒だよ。困ったことがあったら
言ってね。あたしどこに居ても駆けつけるよ。」
本当は何もないことが良いことだけど、
もしも何かあった時は力になれるように頑張る。
「ひよ」
「お嬢ちゃん、風船1つ要るかな?」
「えっ、・・・」
お、お子様だと思われてるのか!?
「何色がいいかな?」
「えっと、黄色が。」
はいっと言って差し出された黄色の風船は
ゆるく空中に浮いて漂う。
「結局、貰ってんじゃねぇか。」
「つ、つい癖で・・・」
そろそろ、大人になりたいですよ。
あたしだって、もう15だ。
春になったら、16になるのか。
時間は、あっという間に過ぎてゆく。
「満更でもねぇじゃね~の。」
「風船に罪はないもの!」
ナル君と手を繋いでる反対側の手に
しっかりと風船を持つが、余計目立って
しまったようだ。
「ど、どうしよう!風船が目立ちすぎる。」
「日和ちゃん、美男完全に見失ったよね?」
馨君、なんということだ!
「ちょっと、それは考えても見なかったよ。」
甘~い匂いが漂うところで今まで黙々と文句を
言わずに着いて来ていたちぃ君の目の色が変わった。
「ぐへっ、甘ったるい匂いが嗅覚を麻痺させようと
企んでいる!!これは、何かの戦略かね。」
「直ちに急行するぞ。」
えっΣ(゚д゚;)
ちぃ君、行く気満々ですかい?
あの、甘ったるい匂いのところに行く勇気が
ありません、隊長!!

