「お前、マジでブレねぇな。」

ピンクと白の配色のうさぎさんポケット付き

腹巻を買ったのである。

「なっ、可愛げがあって良いであろう!」

店員さんからショップの手提げを受け取った。

こんな恥ずかしい思いをすることになると

知っていたら一緒に尾行しようとは思わなかった。

「日和ちゃん、前見て歩こうね。」

「う、うん。馨君、ナル君、京君、ちぃ君、ユウヤごめんね。」

「「お前、ひでぇーな」」

そこのコンビに謝罪は要らないでしょうよ。

「だって、知らなかったもんよ。

みんなだって言ってくれれば良かったものを・・」

「おめぇが押し込んだんだろうが。」

「だからって、何で店員さんと一緒にオススメ

していたんだ!!危うく、買うべきかと悩んで

しまったではないか。」

「買おうと思ったのかよ。」

「だって、見たでしょ?あの店員さんのブラックスマイル。

あれは、スーパーの叩き売りでおばちゃんたちが獲物に

食らいつく瞬間に似ていたぞ・・・」

恐ろしかったわ。

「その例えやめろや。」

「他に例えるとしたら・・・んー」

「例えなくていいから日和ちゃん美男見失うよ。」

「ハッ!!追わねば。」

ランジェリーショップを出てすぐによっちゃんたちが

遥か遠くに歩いてるのが見えた。

「うげげっ、よっちゃんめ!!」

行動起こすタイミング考えろ。

素早い動きでよっちゃんに距離を詰めた。

「早くも昨日のデートプランが全く

遂行されてないという展開が出来上がってるわ。」

「デートプランってどういうことだよ?」

慶詩が聞いてないぞって顔で振り返った。

「えっ、昨日よっちゃんと一緒に予行練習に

付き合ってあげたのだ。」

まぁ、あれはお散歩みたいで楽しかったな。

「よっちゃんと2人で?」

ナル君が急にうるうるな瞳で詰め寄ってきた。

「う、うん。何か駄目だった?」

あたしで良かったのかどうかは未だ不明である。

サユの方が女の子らしい気持ちを理解してアドバイス

というものが出来たかもしれない。