にっこり笑うナル君が一緒に行くからなって
もう一度言うからうんって頷いた。
「それで、何調べてた?」
京君がジロっとあたしの手元にあるケータイ
を見つめてきた。
「ああ、そうなの!実は、あたしにも経験値が
殆どないに等しいもので、て、手を自然に繋ぐ
にはどうすればいいものか?」
手を繋ぐタイミングとかもよく分からなかったけど、
ふとよっちゃんを見ると何があったのかもう繋いでる。
「あ、あたしの出番ではなかったのかっ!!」
だけど、勉強不足だったわ。
こんな問題が出てくるとは恐るべき至難ね。
「ヒヨリン、手繋いでもいい?」
ナル君の頬がピンク色に染まる。
「えへへっ、いいよ。しかし、冷たいですよ。
よく冷たいからお前の手死んでると言われて
繋いで貰えなかったのですよね。」
※小学生の頃から冷え性だった。
「そんなの勿体ねぇな。」
ナル君の右手に左を取られた。
ナル君とお手々を繋ぐのはあのマコ君の文化祭以来だろうか。
やっぱり、小っ恥ずかしいようなでも温かい
気持ちになるような感じがする。
「おい、イチャつくな。」
「イチャついてねぇ!!」
慶詩にナル君がプンスカする。
「2人を見ると和やかだね。」
馨君と京君が温かい目で見ていたとは
気付かずにナル君は決して強く握ってるという
わけではなく、壊れ物でも扱ってるかのように
優しいハンドだった。
何故か、後ろから刺さるような視線を感じた。
ちぃ君、あたし甘いもの持ってない。
お汁粉作るとか言ってまだ作ってなくて
すまないよ。月曜日にちゃんと作るから
お、お許しを・・・・!!
チラッとちぃ君を見ると、後ろから手が伸びて
来て、ぎゃああ殴られるっ。
そう思ったのに、取れかかったマフラーを
ぐるんぐるんに巻き直された。

