選ばれし者



結城と和也は半泣きだ。
俺だって泣きそうだ。

こんなにできた人が俺らの総長で本当によかった・・・。


龍結和「ありがとう・・・。」


みんなが柔らかく微笑んだのも束の間、

空「・・・相手は、裏組織でかなり顔のでかい奴だ。」

その一言で現実に引き戻された。

結「それは・・・??」

なんで知ってるのか、誰もが思ったとき、

空「仕事を手伝っていた時に、出てきた情報だ。石春蘭馬の父は汚い組や族の関わりが深い。今から速攻駆けつけてなんとかなるような相手ではない。」


和「クッソ・・・。」

悔しそうにする和也。

空「情報によると、石春蘭馬の父、石春斗馬-tohma-は、組織の下っ端に殺し合いをされている。もがき苦しむ姿をみて楽しんでいる最低な野郎だ。と、ひとつ気になったのは、石春斗馬の妻、石春沙苗-sanae-のことだ。」


結「石春の、お母さん・・・?」

空「そうだ。一度、石春斗馬の率いる、『核獄-kakugoku-』が潰れそうになったことがあった。その直後、石春沙苗は植物状態になった。簡単に考えれば、潰れそうになった時に襲撃した組が、人質として捉えたため運悪く・・・ともいえるが、そこには『事故による植物状態』と記されていた。」

涼「・・・事故・・・?」

和也以外は察したようだ。
襲撃されたことを書いているのなら、原因は、
『襲撃による植物状態』でいいはず。
わざわざ『事故』にしたのは・・・。


空「身内のなかでなにかある。」



ということになる。


海「まあ、とにかく、すんげえ複雑っぽいってこと。」