【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「あぁ…。ちょっと時間はかかるけどな…」


真剣な表情の天翔は、真っ直ぐ風磨を見つめている。


天翔…あたしと風磨の気持ち、わかってくれてるんだ…。


「風磨…」


「じゃあな、美桜。また必ず戻ってくるから」


そう言って、風磨はあたしの頭を軽く撫でてくれた。


それが風磨の気持ちをすべて意味している気がした。


「うん…」


「じゃ…」


軽く右手をあげ、立ち去る風磨。


雨の中を歩く風磨の姿はすごく寂しそうで…。


堪えていた涙が頬を伝い、天翔があたしを抱き締める。