【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「聖夜、ありがと。あたし、行く」


「美桜…」


「あたし、逃げてばっかだった。風磨のこと傷つけたくないとか言って…本当は自分が傷つくのが嫌だったんだ」


あたしが俯くと、聖夜は優しい顔であたしを見つめた。


「でも、やっと一番大切なものに気づけたよ」


あたしは顔をあげて、ニコッと聖夜に微笑む。


「あぁ、お前も天翔も幸せにならなきゃいけない。ほら、早くいけ」


「…ありがと、聖夜」


そう言って聖夜の見せた笑顔は、今まで見たなかで一番いい笑顔だった。