【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

一本の桜の木を見つめる人影が視界に映った。


それはそう、まぎれもなく俺が探していた人物。


「美桜…」


美桜はぼんやりと桜の木を見つめている。


俺はそんな美桜から目が離せないでいた。


桜の木を見つめる美桜が、驚くほど寂しそうだったから…。


出会ったときと同じ、光を失った瞳…。


その姿はまるで、今の桜の木そのものだ。


「そんなにあたしのこと見てて、おもしろい?」


俺がぼんやりとしていると、いつもの冷めた表情で美桜が振り返った。