蓮が好き…
病室に入ると顔を背けている蓮がいた
こっちを向いてくれないと…喋れない
蓮…こっちを向いてよ…

祈っても、私が来たのを気づかないようなフリをして見ない…

「明…もうここに来るな…」
突然の蓮の言葉に言葉がつのる
嘘だ嘘だ…私…考えてきたの…
一晩考えてたの…
蓮に「好き」の二文字を言うために
色々考えてきてたの…
なのに…どうして急に…

《明…自信をもって…》
ママの声が聞こえた気がした…

「え"っん!」
「誰だよ!えんって…っ!」
振り向いた…
私はホワイトボードに字を書く
「好き」っていう二文字たったの二文字
だけど…強張る手でしっかり書いて…

蓮に見せる…
どうだ…どうだ!

私は思いました…

蓮がいたから…
虐められてた心が…
今…普通に戻ってるの
貴方がいたから…
桜の木は今もあそこにたっているの…

蓮のしてくれた些細な出来事が…
私の心を溶かしてくれたの…