風に揺られて、淡い黄色のカーテンがひらりと揺れる。
それに合わせて窓から射す光がきらきらと零れる。

「あんず」

「なぁに、陽ちゃん」

別に、と陽ちゃんは微笑んで首を横に振る。

手を伸ばして、私の短い髪を優しく撫でる。

そして目線をリビングの一番陽あたりのいい場所へさらりと移動させる。

「いい天気だね」

陽が零れる、暖かい場所。

マリンはあそこに、眠ってる。


お骨をお墓に入れるのは忍びなくて。

私はお気に入りの陶器の入れ物にマリンのお骨を大切に入れた。

リビングで一番陽あたりのいいあの場所に、マリンは今もいる。