マリンブルー

お母さんは小さく頷いて静かにドアに向かって歩いていった。



お母さん……

今までありがとう。

大好きだよ。お母さんのことも。

それから、あんずを産んでくれてありがとう。

あんずと逢わせてくれて、本当にありがとう。

ありがとう。

お母さん、またいつか、逢えるといいね。




いつもよりひとまわり小さく見えるお母さんの背中に、

ぼくは心の中で呟いた。